全国から集められた募金などを資本金として設立
終戦の年1945年の12月、日本の民主化の一環として「労働組合法」が制定され、8月にはわずか2つしかなかった労働組合はこの12月に509組合38万人、4年後の1949年には35,000組合700万人が組織され、運動が大きく発展しました。アメリカ占領軍はこのような盛り上がりに危機感をもち、武力による弾圧とともに言論弾圧もすすめてきました。
労働組合や民主的な団体は民主主義と自由を守るために、機関紙をたたかいの武器と位置づけて拡大強化しましたが、占領軍は政府に用紙統制を指揮し、民主的機関紙への割り当てを極端に制限しました。
こうした中で国民の言論出版の自由に対する要求はますます強まり、用紙獲得の場として機関紙協会が設立されました。その後政府の妨害がエスカレート、毎日新聞社に委託していた7紙が突然印刷を拒否されたのをはじめ、機関紙の発行が危ぶまれる状況になりました。
機関紙協会は1948年9月に懇談会を開き、資本金1,000万円の「共同印刷所」設立趣意書を各団体に配布しました。これに呼応して産別会議傘下の主要労組が組合員3円カンパを組織し、翌1949年9月1日、平和と民主主義の確立をめざす労組、団体や活動家のエネルギーが結集してついに株式会社日本機関紙印刷所(現 株式会社きかんし)が創立したのです。
きかんし今昔物語
文工会館を事務所に、設立運動に取り組む
株式会社きかんしは1949(昭和24)年に創立しました。
1949年、日本はまだ米軍の占領下にありました。朝鮮戦争前夜、米軍の民主化政策は一転し、労働組合や民主的な組織への弾圧が始まっていました。そして当時、紙の弾丸と言われていた機関紙が、新聞用紙統制や印刷妨害により発行の危ぶまれる事態となっていました。
そうした中で「自分たちの力で印刷所を」との設立運動がはじまり、450万円の資本金で「株式会社日本機関紙印刷所」が設立されたのです。
今日では想像もつきませんが、木造2階建て、もちろん空調も無く、お客様は毛筆と赤インキで校正していました。
「きかんし今昔物語」では、保存された写真や資料をもとに、現在のきかんしと対比させてみます。
【第1回】社屋いまむかし
【第2回】校正室いまむかし
【第3回】創立記念日の変遷
【第4回】イベントいろいろ
【第5回】地図で見る-きかんし周辺の変遷
1940年代~1980年代
1949年 | 9月1日創立 |
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1954年10月 | 新聞オリジナル新活字一段14字採用 |
1973年9月 | 超高速輪転機5台連結設置 |
1977年3月 | オフセット輪転機1台設置 |
1977年12月 | 本社建物増改築完成 |
1983年6月 | 活版組版から電算写植組版NKシステムに移行 |
1984年5月 | 超高速輪転機をオフセットに改造 |
1984年6月 | 西側増築完成 |
1988年4月 | 埼玉営業所開設 |
1989年9月 | 2色商業オフセット輪転機 |
1989年11月 | 超高速新聞オフセット輪転機(カラー装置付)2台設置 |
1990年代
1992年6月 | NE電子編集システム設置(頁物・チラシ) |
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1992年9月 | フルページ新聞制作KIシステムに移行 |
1992年9月 | 新聞生産管理システム設置 |
1993年3月 | NKI労組会計ソフト販売開始 |
1995年12月 | 外製生産管理システム設置 |
1996年8月 | 弊社ウェブサイト(ホームページ)開設 |
1996年11月 | DTPプラザ開設・情報システム事業部創設・イメージセッター設置 |
1998年1月 | フルデジタル編集システム設置(SMI-Edian) |
1998年10月 | 埼玉営業所10周年を期に埼玉メディアセンター発足 |
1999年 | 9月1日創立50周年 |
2000年代
2000年9月 | 社名を株式会社きかんしに変更 |
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2003年 | 新聞制作システムを全面更新(KS=方正・Founder Megalith) |
2003年 | ISO9001(品質マネジメントシステム)取得 |
2004年1月 | ・本社社屋を江東区辰巳に建設し移転、新橋メディアセンター設置 ・新聞輪転設備を更新し、タワー型4色×4色機導入 ・本社のネットワーク完備、高速インターネット環境整う ・新橋センター、埼玉センターとのインターネット通信ネットワーク完成 |
2007年7月 | 新聞オフセット印刷用CTP導入 |
2007年12月 | 個人情報保護・プライバシーマーク取得 |
2008年4月 | ・商業オフセット印刷用CTP導入(全社フィルムレスに) ・新聞オフセット印刷用CTP増設 |
2009年3月 | 第8次計画(3年半)スタート-「業態変革」掲げる |
2009年 | 9月1日創立60周年 |
2010年~2013年
2010年6月 | ソリューション事業部創設 |
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2010年7月 | プリントオンデマンド印刷機1号機導入 |
2011年4月 | きかんしonline shop開設 |
2011年5月 | 「こうとう夢プロジェクト」スタート |
2011年7月 | 現像廃液削減装置「XR-2000」導入 |
2011年8月 | B0版大判プリンタ導入 |
2012年3月 | ・出版支援事業開始 ・ウェブ会計システム販売開始 ・電子書籍サイト「個性屋」オープン |
2012年8月 | 第8次計画終了 |
2012年11月 | 電子新聞事業開始 |
2013年8月 | 「全社的な機構と体制の見直し」をスタート(WEB事業部新設) |
2014年~
2014年3月 | 商業印刷機用CTP更新 |
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2014年4月 | 枚葉用断裁機更新 |
2014年5月 | プリントオンデマンド印刷機モノクロ機導入(カラー・モノクロ2台体制) |
2014年6月 | 簡易製本機導入(無線綴じ) |
2014年9月 | 第9次計画(4年間)スタート- どんな経営環境下でも「ゆるやかな成長」ができる会社の基盤づくりをすすめる。 |
2015年7月 | 新制作システムを更新、移行開始(NEC:スーパーデジトリアル) |
2016年7月 | 新生産管理システム移行開始(NEC:管理システム「SP-MULTI/Ev」) |
2016年10月 | 枚葉4C機導入(リョービMHI RMGT9 940ST-4 LED-UV) |
2017年4月 | プリントオンデマンド印刷機カラー機更新 |