<第3回>創立記念日の変遷

 2009年9月1日で60周年を迎えた株式会社きかんし(創立時=株式会社日本機関紙印刷所)。今回は創立記念日の歴史をたどります。

■創立2周年

 創立(1949年9月1日)時の従業員数は52名、その年末には97名でした。利用団体数は労働組合40、その他20でスタートしました。
 創立当初は印刷所の数が少ないこともあり需要に応じきれないほど仕事があったそうですが、米軍占領下の50年に朝鮮戦争が勃発して以降、労働組合等への弾圧が強まり、それは印刷所にまで及び、発行部数の制限だけでなく、ついに50年7月5日には輪転機の封印という弾圧を受けることになりました。その後、平台機、発送職場、大組職場などを含む2回の封印を受け、この事態は1952年4月のサンフランシスコ平和条約発効の5日前まで続きました。
 創立2周年は1951年9月1日で弾圧の真っ只中、それでも従業員はその困難に立ち向かい、利用者団体からの支援を受けて奮闘していました。

■創立5周年

 1954年9月1日、国労会館で創立5周年式典(文化祭)を開催しました。1952年に作られた演劇部には、近藤三雄さん、小池静一郎さん(その後芝巧芸社長)、吉江克視さん、加藤光男さん、縄田譲さん(その後ダンアート社長)などが所属していましたが、この創立記念文化祭では小池さんの演出で「しゅう雨」が上演されています。


爆笑を誘った「三つの歌」

いろどりを添えたバレー

■創立10周年

 1959年9月1日、文京区の椿山荘で700名の参加で10周年記念式典が挙行されました。3月に政党や労働組合による「安保共闘」が作られたのを機に大闘争がはじまり、労働組合や国民運動の印刷の需要が急増しました。5年間で組頁数23%増、印刷部数72%増となり、利用者数も278団体になっています。

■創立15周年

 1964年9月1日、芝白金の迎賓館で開かれた15周年記念祝賀会には750名が参加し盛大に行われました。この年には金杉橋工場の完成、独身寮新築、本社新築工事開始と大規模な建設事業を行っています。

■創立20周年

 1969年9月1日、椿山荘で20周年記念式典を挙行しました。この年4月には本社第2期工事を完成させていますが、これは輪転機増設と活版部門の機械化にあわせて行われた大規模な工事でした。

■創立30周年

 1979年9月1日、港区白金台の八芳園で社員・家族・関係者を中心とした記念式典を開催、5百数十人が参加しました。武内社長はあいさつの中で、創立時と比較して次のような数字を紹介しています。「組頁数5倍、印刷部数22倍、従業員数3倍、敷地面積1.5倍、建物面積8倍、払込済資本55倍」。

 また、9月7日には高輪プリンスホテルに利用団体、編集者、協力業者の方々の参加で盛大に祝賀会が開催されました。上田耕一郎参議院議員、鈴木和美全専売委員長、進藤甚四郎全商連会長、須藤隆平全国農業共済協会会長より祝辞をいただきました。


青年部のコーラス

プリンスホテルで祝賀会

■創立40周年

 1989年9月2日、八芳園で従業員と家族、協力業者の皆さん450人の参加で創立40周年を祝いました。また、9月8日にはお得意様を中心に280人をお招きして、同じく八芳園で祝賀会を開きました。

 この年のスローガンは「おかげさまで40周年」、関根平太郎社長は「40年間で資本金は62倍に、総売上で200倍に達した」ことを報告し、感謝を述べました。また、辻達也生保労連委員長、田中武夫サカタインクス取締役、伊奈一郎日本食糧新聞社社長、中野和仁全国農業共済協会会長からご祝辞をいただきました。


白金八芳園での祝賀会

鏡仙寿郎社中の「獅子舞」

■創立50周年

 1999年9月1日、目黒雅叙園においてお得意様を中心に320団体、524名の方をお招きして盛大に50周年祝賀会を開催しました。大石一之社長は、50年の節目を迎え、きかんしを支えていただいた多くの皆様に感謝するとともに、90年代の長引く不況に耐え、21世紀の情報メディアセンターとして飛躍する決意を述べました。小林洋二全労連議長、食品連合増田滋委員長、全商連菱健蔵会長、伊奈一郎日本食糧新聞社会長より祝辞をいただきました。「エレガンス オブ バロック」による優雅な演奏や50年の歴史をつづったデジタルスライドの映写を行いました。

 また、従業員、協力業者を中心とした祝賀会は、9月4日、新宿京王プラザホテルで150団体452名の参加で行われました。


雅叙園であいさつする大石社長

エレガンス オブ バロックによる演奏

■創立60周年

 2009年9月14日、東京・文京区の椿山荘において創立60周年祝賀会を開催し、お得意様を中心に約500名の方にご参加いただきました。佐藤操社長はあいさつの中で、きかんしが戦後占領軍の弾圧下にあった1949年に3円募金による出資で設立された歴史にふれ、「株式会社でありながら協同組合的な性格を持ったこうした会社は日本に例がない」と振り返りました。現在きかんしを利用する700を超える労働組合や各種団体、専門紙などのお客様に対しては、「物心両面でのご協力をいただいている」と感謝の言葉を述べました。大黒作治全労連議長、鈴木辰男紙パ連合委員長、国分稔全商連会長、今野正義日本食糧新聞社社長よりご祝辞を賜りました。
 また2010年4月10日に、同じく椿山荘において従業員・家族・OB向けの祝賀会を開催し、262名が参加しました。若手社員らで結成されたバンド「サウンドバックス」の演奏や、豪華景品の当たるくじ引き大会などのイベントで大いに盛り上がりました。


佐藤社長あいさつ

熱唱する若手バンド「サウンドバックス」

子どもたちによる歌